例年CESではテクノロジーのリリースが脚光を浴びるものですが、今年のフィンテック分野では、ディスカッションや基調講演、討論会に注目が集まりました。そこで明らかになったのは、消費者による購買行動の根本的な変化や、企業によるファイナンスの転換が、フィンテック革命を推進していることです。Mastercardやバンク・オブ・アメリカといった伝統企業や、StripeやPlaidといった新進気鋭の業界リーダーから、ファイナンス分野のテクノロジーの進化をうかがい知ることができました。
このような進化は、他分野の企業が対面でのやり取りから電子商取引に移行する動きを、先取りするものです。CES 2021で見られた主要なフィンテックの動向を、専門レポート『ファイナンスの未来を加速させるトレンド』にまとめています。
CES 2021で見られたフィンテック分野の重要な動き
キャッシュレス社会への移行
近い未来に、現金は過去のものとなるでしょう。実店舗から電子商取引に移行し、デジタルチャネルを導入する小売業者が増える中、フィンテックの進化により、オンラインでの買い物、預金、銀行取引、支払いがこれまでになく簡単になっています。
健全なファイナンスに向けて
2020年は身近なことに目を向ける年だったと思います。多くの人が健康を意識して行動したことでしょう。健康といえば、お金、つまりファイナンスの健全性も大切です。CESの展示からは、多種多様なデジタルファイナンスのツールや機会が登場していることがわかりました。ファイナンスのデジタル化が進むにつれて、データのセキュリティもこれまで以上に重要になっています。オンライン、オフラインでのさまざまなファイナンス管理について、Starの専門レポートで解説しています。
統合が進むファイナンスのエコシステム
ファイナンスのエコシステムの堅牢性は、イノベーションを個別に見るだけでは理解できません。各サービスが他のシステムとどのように相互作用しているかが重要なポイントです。オープンソース方式によってデジタルファイナンスの機能が向上し、企業にとっての参入障壁が下がっています。スムーズで付加価値のあるサービスを生み出し、消費者と信頼関係を築くチャンスがますます増えていくでしょう。
ファイナンスの未来を加速させるトレンド
ファイナンスの変革は、デジタル世界の舞台裏で進行しているために見過ごされがちですが、CES 2021から、新型コロナウイルスの影響がこの分野の転換を加速させ、1年前には予測できなかったような成長の環境が整ってきたことがわかりました。
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