さまざまな分野でソリューション主導型のビジネスが成長を続ける中、プロダクトマネジメントが担う範囲が広がり、その役割の重要性も増しています。そこでポッドキャスト『Shine: a podcast by Star』の今回のエピソードでは、プロダクトマネジメントについて掘り下げました。
エンドツーエンドのITコンサルタント企業であるStarは、ヘルステック、フィンテック、自動車&モビリティなど、さまざまな業界のクライアントが成長を加速させ、画期的な製品を生み出してブランド価値を確立していくために、プロダクトマネージャーが重要な役割を果たすと考えています。
では、優れたプロダクトマネージャーの資質とは何でしょうか? 企業はプロジェクトマネージャーの採用面接で、どのような質問をすべきでしょうか? プロダクトマネージャーを目指して求職活動をしている人は、ライバルに差をつけるために何をすればよいのでしょうか?
今回のエピソードでは、このような疑問に答え、さらなる知見をお伝えしています。
適切なプロダクトマネージャーを見つけるには、まず自社の目標を明確にすること
どのようなビジネスにも達成すべき目標があるはずです。だからこそ、テックファウンダーで最高製品責任者を務めるNick Black氏は、クライアント企業と仕事を始める際に、次のような問いかけをすると言います。「次に達成すべきことは何でしょうか? 完全な製品のリリースを目指しているのでしょうか? それともまず10人程度のユーザーを獲得して、製品が市場に合致しているかを見極めたいのでしょうか? グローバルな拡大も目指しているのでしょうか?」このように達成目標を明確にすることが、適切なプロダクトマネージャーを見つけるための第一歩となります。
Starでプロダクトマネジメント副責任者を務めるOliaもこれに同意し、「社内、社外のいずれでも、パートナーを探す際には、柔軟性と領域横断的な経験が不可欠です」と話します。プロダクトマネジメントは総合的な役割を担うものであり、そのリーダーは全体像を把握し、それをチームに適切に伝えられなければなりません。
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ポッドキャストは英語で提供しています
プロダクトオーナーとプロダクトマネージャー、どちらを先に採用すべき?
プロダクトオーナーとプロダクトマネージャー、よく似た役職名ですが、とくに大企業のプロジェクトでは、この2つをきちんと区別することが大切です。まず「プロダクトオーナー」とは、アジャイル開発、とくにチームとしての取り組みを重視するスクラム開発のプロジェクトにおいて「タスクや未処理案件の管理を担当し、主にデリバリーチームと一緒に仕事をする人」だとOliaは説明します。
オーナーという言葉から、重大な決定を下したり、製品戦略に責任を持ったりする人のことだと思われるかもしれませんが、少なくともスクラム開発ではそうではないのです。実際にそのような決定や責任を担うのは「プロダクトマネージャー」の方です。
Nick氏は「広い目で見たプロダクトマネジメントの要点は、解決すべき問題を整理し、ユーザーを惹きつけ、ビジネスを成長させることにある」と言います。
それがスタートアップ企業にとって重要である理由について、Nick氏はこう話します。「業界に15年いて、その分野の博士号を持ち、プロダクトマネジメントに精通して、コーチングや人材育成に意欲がある創業者なら、経験の浅いプロダクトマネージャーを雇って、彼らを成長させるというアプローチを採れるでしょう」
一方、プロダクトオーナーは、欧州ではここ10〜20年に登場した比較的新しい役割です。欧州企業はシリコンバレー式のテック系プロダクトマネジメント手法を取り入れようとしましたが、実際のビジネスへの適用は簡単ではありませんでした。そこで「企業やステークホルダーの要望を技術的な要件に『翻訳』する役割を、プロダクトオーナーが担っている」とNick氏は説明します。
大企業であれば、これらの役割を明確に分けられるかもしれませんが、スタートアップ企業では、多くの場合、一人の社員が複数の役割を担っています。そのため、プロダクトオーナーとして入社した人が、やがてそれ以上の役割を担うようになることがよくあります。そうなると、創業者はより高い給料か、より重要な役職(たいていはその両方)を与えなければなりません。
ただ、プロダクトオーナーとしては優秀な人でも、プロダクトマネジメントには向いていない場合もあるでしょう。創業者は良い人材の確保と、強いチームを作ることの両方に注意を払う必要があります。
Starのような企業は、このような課題に対して真の価値を提供できます。創業者はStarのプロジェクトチームによる支援を得て、目標達成を実現し、人材のギャップを埋められるでしょう。独立したプロジェクトチームが必要な場合でも、1人のプロダクトオーナーと複数の優秀なエンジニアが必要な場合でも、Starはお客様企業が北極星のような確かな目標に向かって進めるようサポートします。
効果的なプロダクトチームを構成するには?
スタートアップでも大企業でも、社内でも社外でも、あらゆる組織が成果を挙げるために必要なのは能力、自律性、関連性だとNick氏は考えています。そのため、チームには次の3つの役割を担うメンバーが必要です。
- プロダクトマネージャー:戦略と総合的なビジョンの責任者。製品、顧客、エンドユーザーの橋渡し役を担います。
- テックリード:別名「エンジニアの使者」。「新機能を提供するのに方法Xでは数か月かかるが、方法Yなら数週間でできる」と示してくれる人です。
- プロダクトデザイナー:UXデザイナーよりも顧客のマインドを理解し、価値提案を行って、アイデアをデザインできる人。
とはいえ、何より重要なのは、チームが緊密に連携し、一丸となって行動することです。それができれば、きっと特別で素晴らしいものを生み出せるでしょう。
世界に通用するプロダクトマネージャーの条件とは?
8000人規模の大企業で働く人でも、スタートアップ企業を始動させたばかりの人でも、すでにプロジェクトを担当している人でも、これから携わろうとしている人でも、本当に優れたプロダクトマネージャーには、いくつかの共通する特徴があるようです。
最高の人材には、相手の立場になって考えるエンパシー、思いやり、そして「なぜ?」と疑問を突き詰める好奇心があるとOliaは話します。このことを理解しておくと、採用面接の際にも役立ちます。自身の経験の中で、製品についてなぜそのような判断をしたのかを問うことで、候補者の資質について重要な手がかりが得られるでしょう。
Nick氏はこう話します。「人はストーリーを語るのが好きで、無意識に内容を埋め合わせて話を作ってしまうものです。ですから、本当に有益な情報を得ようと思うなら、『製品をグローバル展開する場合』など、特定の状況に絞って質問をすることです」。これと合わせて、擬似的なワークショップを行うことで、その人の実際の働きぶりや、自社ビジネスへの適合性を見極められるでしょう。
ポッドキャストでは、さらなるプロダクトマネジメント戦略を紹介
ポッドキャスト本編では、プロダクトマネジメントを専門とする2人が、プロダクトマネージャーの採用や、ビジネスの各段階で求められる要素など、製品開発戦略について、さらに深く掘り下げて解説しています。
ぜひポッドキャスト本編をお聴きください。また、Starのプロダクトマネージャー職に興味のある方は、当社の求人情報をチェックしてください。BMW、ZEISS、Nio、Panasonicを始めとする世界クラスのクライアントや、破壊的革新をもたらす次世代のスタートアップ企業とともに仕事ができる機会が待っています。