What If Health: 17回の短期開発を繰り返し、 アイデアからMVPを創出
概要
Design Institute for Healthは、米国テキサス大学オースティン校のデル・メディカルスクールと美術学部の革新的なコラボレーションによって生まれた機関です。人間中心のデザインで、健康に関する体系に変化をもたらすことを目標としています。その取り組みのひとつとして、健康・幸福の未来シナリオを提示するウェブツール「What If Health」を開発しようと考えました。
What If Healthは、米国の多様な人々が、健康・幸福の未来について考えるためのツールです。そのため、使いやすく、インパクトがあり、わかりやすいものでなければなりません。科学論文のような詳細な情報と、直感的で魅力的なデザインを融合させる必要があったのです。
✓ 優れたサイトデザインにより、複雑なテーマを理解しやすいシナリオへと変換
✓ 実現可能な未来の健康・幸福を、革新的な方法で提示
✓ 医療エコシステム内での対話と既成概念にとらわれない思考を促進
✓ 多くの人々に気づきをもたらし、貢献を促す
アイデア
「What If Health」は、大規模な未来ビジョンを提示するためのアイデアとして生まれました。何百ページもあるPDFといったものではない方法で、健康や幸福についての未来シナリオを示したいと考えたのです。
ただ、このプロジェクトならではの課題がありました。それは、事前に具体的な要件がほとんど固まっておらず、系統立てられたデータもなかったことです。最終的に未来シナリオを提示することだけが決まっていました。そのためStarのチームは、具体的なガイドラインや目に見える指標ではなく、仮説や仮データを用いてプロジェクトを進める必要がありました。
プロジェクト
StarとDesign Institute for Healthは、以前にもテキサス州トラヴィス郡の医療システムを俯瞰するサイト「Ecosystem of Care」を共同制作したことがありました(そのプロジェクトは良い結果を収めました)。今回、他のデザイン会社とのコンペを勝ち抜き、Starは再び画期的なプロジェクトで同機関とコラボレーションすることになりました。
プロジェクトではまず、テキサス州オースティンで1週間の「発見ワークショップ」を開催し、プロジェクト実現に向けてあらゆるアプローチを検討しました。その結果、アジャイル手法で開発を進めることを決定。望ましいソリューションへのロードマップを作成し、デザインと開発のプロセスに取り掛かりました。
そこでは、事前に立てた仮説を検証する必要がありました。定まったデータがない中、これは非常に重要なポイントでした。それをもとに、MVP(Minimum Viable Product:価値を提供する最小限の製品)とフル機能のソリューションを定義しました。
その後、Design Instituteと協力して、2週間単位のスプリントを計17回繰り返し、実際の開発を進めました。スプリントを繰り返すごとにプロジェクトは洗練され、2019年12月にMVPを納品。外部パートナーがユーザビリティをテストし、その評価に基づいた追加アップデートを経て、2020年2月に動作するプロトタイプが完成。フル機能を備えた完全版は、2020年秋に開催された「2020 FORESIGHT National Convening」でお披露目となりました。
プロジェクト範囲
- バックエンド開発
- フロントエンド開発
- 3Dモデリング
- WebGLアニメーション
- オペレーション
- デジタルデザイン
- ソフトウェアエンジニアリング
- プロジェクトマネジメント
- 品質保証
- ソフトウェアオペレーション