概要
日本・東京で設立された株式会社Paidyは、後払い決済(Buy Now Pay Later:BNPL)プラットフォームのPaidy(ペイディ)を展開しています。消費者はこのサービスを使うと、自分の名前と電話番号、メールアドレスだけで、オンラインや実店舗で買い物ができます。モバイルでの利用に最適化されたPaidyは、即時チェックアウトが可能。ユーザーはクレジットカードや事前登録なしで商品を購入し、後から月ごとにまとめて代金を支払えます。同社は独自の技術を用いて、信用力をスコアづけし、取引の処理を担って加盟店への支払いを保証しています。
✓ 7か国にまたがるチームが完全リモートで共同作業し、わずか3か月でMVP(実用最小限の製品)をリリース
✓ ショッピングページ、検索機能、シンプルなウィッシュリスト、インスピレーション機能、アプリ内ブラウザ+履歴、Google検索オプションを構築
✓ 日本国内のPaidy加盟店を集約し、エンドツーエンドのアプリ内ショッピング体験を提供
✓ 日本の消費者に合わせた、統合的な後払い決済サービスを創出
✓ Paidy全体のカスタマーエクスペリエンスを合理化・強化
アイデア
Paidyは、世界の「後払い決済(BNPL)」企業の中でも際立った存在です。Paidyがサービスを展開している日本の市場は、他国からの参入が難しいことで知られ、競合する海外の大手BNPL企業はほとんど参入していません。日本は他の国に比べて、消費者のクレジットカードの利用頻度が低く、現金や対面での支払いが好まれる傾向がありました。そこでPaidyは、ユーザーがコンビニなどでの買い物時に信頼を置け、加盟店がコンバージョン率や平均注文額、リピート購入を増やせるような、ストレスや障壁のないサービスを提供することで、ニッチを開拓したのです。
一般的な後払い決済を超えるサービスを提供して事業を拡大させたいと考えたPaidyは、いくつかの課題に直面していました。現在の後払い決済サービスをどう強化してEコマースに対応させるか? 既存のオンラインマーケットプレイスとは異なるニーズに対応した、シームレスな買い物プラットフォームを設計するにはどうすればよいか? といった課題です。これらを解決するために、Paidyは、エンドツーエンドの製品開発のサポートを提供し、戦略、デザイン、フィンテックに関する幅広い専門知識を持つStarに協力を求めました。
プロジェクト
まず、アプローチと開発手法をアジャイル化することが不可欠でした。このプロジェクトは、英国、ドイツ、ウクライナ、ベトナム、フランス、ポーランド、日本のメンバーが参加する、PaidyとStarのどちらにとっても極めて国際的なコラボレーションとなりました。チームは完全リモートで、綿密な計画立案と導入ワークショップを実施し、継続的な改善に向けての戦略を練りました。Paidyの上層部に向けた製品デモンストレーションも頻繁に行い、チームワーク、効率性、説明性を高めるための合同の振り返りミーティングも開催しました。
企業同士をつなぐ複雑なサービスを構築するため、StarはPaidyのチームと緊密に連携し、UX、プロダクト、DevOps、品質保証といったスキルや機能を1つのチームに統合する必要がありました。そのため、製品、エンジニアリング、品質保証、デザインのミーティングを毎週開催し、プロジェクトチームによるスタンドアップミーティングも毎日実施。このような緊密な連携のもと、情報アーキテクチャを定義してプライマリ/セカンダリのワークフローを明らかにし、ワイヤーフレームを設計してUXコンセプトとソフトウェア開発のフローを検証しました。
そして、2021年7月、満を持してMVPをリリース。以下の2つの大きな目標を達成できました。
- ショッピング体験の向上:ユーザーはウィッシュリストのカスタマイズや、検索結果の並べ替えが可能になり、より多くの商品にアクセスできるようになりました。
- ビジネスロジックの半自動化:よりスマートで充実したスクレイピングと、インスピレーション機能や人気商品機能を管理する専用の製品ポータルを備えた設計を行いました。
完全リモートでの共同作業でありながら、アジャイル管理によって、タイトなスケジュールの中で素晴らしい結果を出せました。文化への適応、スピード、フィンテックのイノベーションが、この合同プロジェクトの成功の鍵となりました。
クライアントの声
「Starチームの皆さん、Paidyの旅の重要なピースを担っていただき、ありがとうございました。チームの多大な努力とタイトなスケジュールに対応する集中力に、改めて感謝しています。献身的に取り組んでいただいたおかげで、プロジェクトは大きな成功を収めることができました」
Russell Cummer
Paidy 創設者・会長
プロジェクトスコープ
- 戦略
- 製品・要件管理
- デジタルデザイン
- モバイルエンジニアリング
- ソフトウェア開発