進化し続けるHMIソリューションの世界を探る

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概要

自動車向けHMIが爆発的な成長を遂げています。その背景にあるのが「CASE」です。Connectivity(接続性)、Autonomous(自律化)、Sharing/Subscription(シェアリング/サブスクリプション)、Electrification(電動化)の頭文字をとったこの言葉は、クルマの未来を語る際のキーワードになっています。この流れを受けてHMIソリューションの重要性がこれまで以上に高まり、HMIの開発においてチャンスと課題の両方が見られるようになっています。そこでHMI界の現状と、その将来を形作るデザインのトレンドを探るため、Starの自動車&モビリティチームは、他に先駆けて世界規模の市場調査を行いました。そこから得られた知見は、「CASE」のテクノロジーを取り入れながら、他社と差別化を図れるHMIリューションの構築に役立つでしょう。

自動車向けヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)とは、運転手や同乗者が自動車とやり取りするための、ダッシュボードなどのインターフェイスを指します。自動車のHMIは従来から重視されてきましたが、さまざまな要因により、自動車メーカーはこれまで以上にHMIのデザインに注目するようになっています。背景のひとつには、運転手の集中力を妨げることなく、大量の情報を伝えなければならないという課題があります。また、新しいテクノロジーを使ったネットワーク接続やシームレスなコミュニケーションを求めるユーザーの期待が高まっていることも要因に挙げられます。

さらに、電気自動車の普及に向けた気運の高まりも、HMI分野の成熟と開発トレンドに影響を与えています。KPMGの調査によると、2030年までに新車販売の52%が電気自動車になると推定されています。自動車メーカーは、まず電気自動車の充電を簡単に管理できるようなインターフェイスを備える必要があります。加えて、目の肥えたユーザーのセンスや最先端技術への希求にアピールするような、独自の車内体験を生み出すことも重要になってくるでしょう。

Starは、企業が直面するCASEやHMIソリューションの課題を深く理解し、お客様企業が現状打破に挑み、ベストプラクティスを取り入れた、拡張性のあるユーザー中心のHMIソリューションを創出できるよう支援しています。今回、当社の経験と市場調査から、現在および近い将来におけるHMIデザインの主要トレンドが明らかになりました。その多くはCASEに関連するものです。ここでは、その分析から得られた注目すべき点をピックアップしてお伝えします。

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自動車向けHMIの現状と予測される進化の詳細について、StarのHMIデザイン調査レポートをぜひご覧ください。

音声や身振りで伝わるハンズフリーのHMIソリューション

従来型の車載インターフェイスは、もう忘れたほうが良いかもしれません。今や物理的なつまみやボタン、タッチスクリーンでさえも、音声や身振りといった新しいコミュニケーション方法に置き換わりつつあります。選択肢を1つに限る必要もありません。ユーザーが柔軟に選べるよう、複数のコミュニケーション方法に対応する車載HMIも多くなっています。

ソニーの「Vision-S 02」は、乗車者の唇の動きを検知するセンサーを搭載。高度な音声認識技術により、騒音の多い環境でもオーディオやナビシステムを音声で操作できます。また、手でL字のジェスチャーをすれば、新しい画面がスワイプして表示されます。DSの半自律走行コンセプト電気自動車「Aero Sport Lounge」も、ジェスチャー操作と触覚機能に対応しており、タッチスクリーンで煩わしい操作をする必要がありません。

車内アシスタントの成長も見逃せません。調査レポートでは、車内コンパニオンを用いて、ドライバー体験のカスタマイズや幅広いタスクの実行に対応するハンズフリーソリューションを実装している、革新的な企業に注目しています。Starがデザインに協力したNIOのコボット(協働ロボット)や、意識しないで利用できるスマートアシスタント、ホログラム、AIアシスタントなどは、人とクルマ、そして外の世界とのコミュニケーションを拡張し、車内インフォテインメント体験を向上させています。

音声アシスタントの普及が進む中、ユーザーは一度でもフラストレーションを感じると、すぐに使用をやめてしまいます。そのため、HMI開発のベストプラクティスをデザインに反映し、適切な体験を提供していくことが重要になっています。

HMIテクノロジー+エンターテインメントが生み出す没入型車内体験

自動車メーカーは、アナログ表示器や、場合によってはハンドルさえも取り去り、映画やゲームからインスピレーションを得た、次世代のディスプレイや機能のデザインに取り組んでいます。仮想現実・拡張現実・エクステンデッドリアリティの要素、3D視覚化(例:メルセデスベンツの太陽光発電コンセプトカー「Vision EQXX」のリアルタイム3Dナビシステム)、光と音のシンクロ提示などにより、ダッシュボードと後部座席が連動した印象的な体験を創出。クルマ好きにも技術好きにもアピールする、未来型の車載HMIが登場しています。

また、映画界と自動車HMIの親和性を象徴するように、BMWはアカデミー賞を受賞した映画音楽作曲家ハンス・ジマー氏を起用して「IconicSounds Electric」を制作。BMWの電気自動車「iX M60」向けのサウンドライブラリとして、感情に訴える運転体験を演出します。キャデラックのSUV「Lyriq」でも、没入感のある自動車HMIを開発。インタラクティブな3Dモデルを用いて、温度調節などの単調作業をビデオゲームのように楽しめるよう工夫されています。このキャデラックを始め複数の自動車メーカーが、HMIの新しい形としてゲーミフィケーションの要素を取り入れようとしています。

hmi ソリューション

インテリジェントなコネクテッド技術が、HMIの新機能を強化

Counterpoint Researchによると、2018年から2022年の間に、ネットワーク接続機能が組み込まれた乗用車が世界で1億2500万台以上出荷される見込みです。インテリジェントな接続技術の進歩により、ユーザーは次世代の自動車インターフェイスを通じて新しい方法で車両や外界と関われるようになります。自動車メーカーはアプリを活用したモビリティソリューションの提供を始めています。ポルシェのユーザーはアプリを通じて車の充電ができ、充電レベルや走行距離のデータもチェックできます。車種によっては、車内からスマート家電を操作できるものもあり、HMI技術の興味深い応用例となっています。

システムが学習を深めるにつれて、ユーザーニーズの予測精度が上がり、よりスマートなおすすめを提示できるようになります。例えば、交通のパターンを基に代替のルートを提案したり、ドライバーの興味に応じて近くの見どころを提案したりなどです。アウディは「Audi Car-to-X」サービスによって、世界中にある10万台以上の接続されたアウディ車からデータを収集。クルマ同士が1つのチームのように知識を共有することで、道路上の危険箇所や駐車スペースなどの最新情報を学習データとして得られる可能性があります。このようなデータを活用したモビリティソリューションの潜在力は無限大であり、今後もHMI分野に影響を与え続けることでしょう。

今回紹介したのは、StarのHMIデザインレポートに掲載されている知見のほんの一部です。企業は車載HMIを通じて「走行距離不安症」の軽減や安全性の向上など、さまざまな課題に取り組んでいます。ぜひ調査レポートをダウンロードして、HMIのトレンドとCASEが市場に与える影響の詳細をご覧ください。自動車向けHMIの技術開発やデザインでお困りの方は、お気軽にStarまでご相談ください。

Starは、新鮮なアイデアを見出すエキスパートです。実績ある人間中心のデザインプロセスにより、お客様企業が自動車インターフェイスを革新し、現状を打破するモビリティソリューションを迅速に市場に投入できるよう支援します。

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