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コネクテッドカーアプリが顧客とメーカーをつなぐ

カウンターポイント社の2018年版「モノのインターネット(Internet of Things)動向調査」では、コネクテッドカーの急速な成長を示す統計データが明らかにされました。

  • 世界のコネクテッドカー市場は2022年までに270%成長し、2018年から2022年に、1億2500万台以上の乗用車に通信機能が装備されて出荷されると予想されています。
  • ドイツ、英国、フランスといった欧州の主要経済国では、2020年中にコネクテッドカーの普及率がほぼ100%に達すると見られています。

このような急速な増加をもたらしたのは、コネクテッドカーに対する消費者需要の高まりです。通信環境の改善や有利な規制も追い風になっています。例えば、欧州では2018年4月以降に販売されるすべての新車に、eCall(自動緊急通報システム)の装備が義務化されました。

接続性の向上により、従来の自動車の役割を拡張するようなイノベーションの可能性が広がっています。それを現実のものとするには、まずユーザーのニーズを見極め、そのニーズを車やコネクテッドアプリを通じてどう実現できるかを考えるのがベストです。実際にそのようなアプローチで、ボルボとゼネラルモーターズがAmazonと提携して実現した車への荷物配送サービスや、運転中にセルフィーを撮ってくれるNioの電気自動車のHMIヒューマノイド「Nomi」など、さまざまな魅力的なサービスが登場しています。

具体的な開発では、私たちが手にしているスマートフォンと、コネクテッドカーのエコシステム内でアプリが果たす役割を考えることになります。Starでは、自動車メーカーやモビリティ分野のイノベーター企業と協働して、コネクテッドカーのアプリやプラットフォームの開発を行っています。

統合的でシームレスなコネクテッドアプリの開発について、Starの専門的な取り組みをご覧ください。

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この記事では、Starが世界トップクラスの自動車メーカーやティア1(一次サプライヤー)、スタートアップ企業と協働してコネクテッドカーアプリを開発する際に学んだ、重要な知見や教訓の一部をご紹介します。

ビジネスの成果につながる顧客インサイト

コネクテッドアプリは幅広いメリットをもたらします。中でも重要なのは、関係性の強化と、より没入的な車の所有体験です。自動車アプリは、顧客と車の間だけでなく、自動車メーカーと顧客の間にも強力な架け橋となります。おそらく最大のメリットは、コンパニオンアプリが、運転頻度や潜在ニーズなど、顧客の行動や習慣に関する信頼性の高い巨大な情報源となることでしょう。自動車メーカーはアプリを通じて、新機能やニュースを提供してユーザーとコミュニケーションをとったり、ユーザーに調査に参加してもらって、より良いサービスを生み出したりできます。

ブランドやインテリアに合わせたアプリケーションデザイン

10年以上にわたり、自動車業界のデザインプロジェクトに携わってきたStarは、アプリの見た目や印象も重要であることをよく理解しています。デザインはただ美しいUIや心地よい体験を生み出すためだけのものではありません。コンパニオンアプリは、車の役割を違和感なく拡張させ、運転時にも、機能やアプリの使用時にも、統合された体験を提供していく必要があります。また、コネクテッドカーアプリは、ブランドアイデンティティや、会社の使命・価値観の伝達に役立ち、ブランド戦略を変更する際にも活用できます。アプリの最適な「ルック&フィール」のバランスを追求することは、重要で価値のある取り組みなのです。

今、車を購入するきっかけが物理的な世界からデジタル世界へと移行し、消費者の購買習慣が変化しています。これに対応するため、自動車メーカーはコネクテッドアプリを使って、顧客がディーラーを訪れる前からブランドへの親近感を醸成できます。例えば、バーチャルテストドライブ、ディーラーのオンラインツアー、デジタル化された購入プロセスの提供など、自動車の新しい購入体験を生み出す可能性は無限にあります。

アーキテクチャ制約内での開発

他のソフトウェア製品と同じく、早い段階で適切なアーキテクチャを選択することが重要です。本質的にIoTシステムであるカーコンパニオンアプリは、現実世界の物理的な車との間のインタラクションに関して、さまざまな課題に直面します。スマートフォンとコネクテッドカーの間にサーバーを設けるという標準的なアプローチでは、双方の接続性の低下や通信の遅延といった問題が発生しがちです。これに技術、UXの両面から対処して、ユーザーにスムーズで可能な限りリアルタイムな体験を提供していく必要があります。もう1つの課題は、緊急事態への対処と警告状況の処理です。これについては、何が起こっているかをユーザーに明確に通知し、何をすべきか的確な指示を提供する必要があります。

サードパーティのサービスを活用する

現在ほど、モビリティの革新に適した時期はありません。モビリティのバリューチェーンのどこを見ても、新しいサービスを開発している興味深い企業が見つかります。コンパニオンアプリの開発過程では、どのような企業があるのかを把握して、自社のサービスに適したサービスを発掘していくことが重要です。地図やナビゲーションなどのコアコンポーネントから、駐車、充電、コンテンツといった付加的サービス、さらにはインフラストラクチャとのインタラクションや新しいモビリティの選択肢も見つかるかもしれません。ふさわしいサービスを特定したら、商業面・技術面から徹底的に精査し、適切な機能を適切な価格で提供できるかを判断する必要があります。

セキュリティのためのデザイン

コネクテッドアプリは車のキーの代わりになるだけでなく、毎日の移動に関する機密性の高い情報の格納場所にもなります。モバイル/Webアプリのセキュリティ問題について調査しているOWASPコミュニティは、ソフトウェア開発のセキュリティに関する明確なガイドラインを策定しています。OWASPのガイドラインは以下のような領域をカバーしています。

  • アプリケーションへのアクセス
  • 機密性の高いデータの保存と操作
  • 転送時のデータ保護
  • 総当たり攻撃に対する保護
  • ハッキング

また、アプリの開発時には、「脅威モデリング」を実践することもお勧めします。これは、関係者が知恵を寄せ合って、考えうるすべてのネガティブケースを洗い出す取り組みです。これを行うことで、アーキテクチャ内で問題が発生するリスクを軽減でき、セキュリティ機能が適切に実装されていること、OWASPガイドラインに従っていることを確認できます。

業界をリードする自動車メーカー20社は、コンパニオンアプリをどのように運転体験に統合しているのでしょうか? トレンドレポートをダウンロードして詳細をご覧ください。

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最後に、現在の自動車業界で見られる最も興味深い動きは、車両製造をもとにした従来の開発サイクルから、ソフトウェア企業が得意とする継続的デリバリーへの移行です。つまり、どの段階においても、企業はアプリを更新することで、常に改善・進化していけるのです。アプリ開発に着手したばかりの段階でも、すでに市場に製品を投入している場合でも、Starはともにアイデアを話し合い、ともにモビリティの未来を創造していく方法を探したいと考えています。