ウェビナーまとめ: デジタル治療を機能させるには

Christopher Scales
Elli Kaplan

by Christopher Scales, Elli Kaplan

DTxでアドヒアランスを推進:医療分野のリーダーが知っておくべきこと R32n5cpm

エビデンスに基づいた治療を行い、ケアの最適化により医療の負担を軽減できるデジタル治療は、患者さんに大きなメリットをもたらす可能性を秘めています。ただ、その成功は、処方された治療計画を遵守しようとする患者さんの意欲にかかる部分が大きいのが現状です。

当社は先日、業界をリードする認知健康ソリューションNeurotrackの共同創設者でCEOのElli Kaplan氏と、Starの戦略&インサイトディレクターChristopher Scalesによるオンライン討論会を開催。アドヒアランスの課題について議論し、成功するエンゲージメント主導型のDTxに共通する要素を探りました。

ウェビナーの重要ポイントをまとめたレポートをご用意しました。また、以下からフルバージョンのディスカッションもご覧いただけます。

レポートをダウンロード

Christopherは、Starによるデジタル治療業界の徹底的な調査と分析から見えてきた、デジタルヘルスのエコシステムで鍵を握る10のエクスペリエンスの原則と実例を紹介。Kaplan氏は、包括的なサポートを提供するNeurotrackの認知健康ソリューション開発の実例を通じて、議論を展開しました。

Neurotrackは、認知的健康の重要性を啓発し、パーソナライズされたデジタル治療介入を提供することで、脳の健康を身近にして、脳の健康の維持・向上につなげようと取り組んでいます。

Kaplan氏の説明によると、Neurotrackは「認知的健康の指標となるスコアを視覚的にわかりやすく表示」してユーザーの意欲を高め、「継続的に利用してもらう」ことで、効果的な治療や臨床的な裏付けのある介入を行い、アルツハイマー病のリスクを軽減して認知機能の低下を防いでいます。

(ディスカッションは英語で行われています)

相手の立場で考えること

サービスの提供側から見ると、患者さんも一消費者です。ただ、好きなものを自由に選んで買えるスーパーマーケットとは異なり、医療サービスを前にしたユーザーは、いったいどのような体験が待っているのかと恐怖心を抱きます。自分の健康状態がわからなかったり、費用や期間が不明だったりすると、なおさらです。

患者さんが自分でコントロールできないと感じれば、エンゲージメントを高めることは難しくなります。そこに学習コンテンツや、相互支援グループ内での比較、進行状況がわかる指標といったDTxの機能があれば、患者さんは主体性を取り戻せます。その結果、サービス提供者、患者、治療がうまく相互作用し、エンゲージメントが促進されて、より良いアドヒアランスを導けるのです。

Neurotrackは、まさにこの分野で新境地を開拓しました。これまで認知的健康についての情報は、非常に限られていました。今日でも、(米国では)20の州が「神経学の砂漠」のような状態であるとElli Kaplan氏は指摘しています。そのような状況であるため、Neurotrackを使うことで、「患者さんは自分の脳の状態についてのデータを取得でき、数値で変化を確認できます。それだけのことでも、患者さんにとって大きな価値があるのです」

つまり、デジタルツールで健康状態の追跡を行う際には、患者さんが自分でコントロールしていると感じられることが重要なのです。

Make achievements tangible

具体的な成果を感じられるようにする

健康には、現実的な面と抽象的な面があります。患者さんにとって、数か月、数年といった長いスパンで進捗を理解することは、ときとして非常に困難であり、それが長期的な治療への意欲を失わせる要因になることがあります。

これに対し、把握しやすく、シンプルで、明確な指標を作成することで、ユーザーは長期的な健康の改善状況を理解しやすくなることが、Christopherが行った調査でわかりました。

Kaplan氏は、これはNeurotrackにも当てはまると言います。「あらゆるタイプのユーザーからそういった声が聞かれます。当社のサービスを利用している人々の最終的な目標は、アルツハイマー病で命を落とさないことです。ただ、そこに至るまでには、いくつものステップがあります。どのようにアプリを使用してもらうか、慣れ親しんだライフスタイルをどう確認・変更してもらうか、一生をかけて築き上げてきた思い出をどう保存していくか、といったことです」

Neurotrackは、さまざまな工夫によりこの目標を達成しています。認知的な健康状態を定量化するのは難しいものですが、Neurotrackの指標を利用すれば、自分で進捗を確認し、同じような状況にある他の人々との比較もできます。Neurotrackは、そのような認知状態やライフスタイルに基づいて、各種のスコアや追加のリソースを提供し、ユーザーが前向きな行動を選択できるようサポートしています。

Engagement-driven digital therapeutics

エンゲージメント主導のデジタル治療を生み出すには

医療費の増大に歯止めがかからない中、公衆衛生の機能は近年確実に低下しています。患者中心の健康ソリューションを手頃な価格で提供できるデジタル治療は、この傾向を食い止め、人々全体の健康を改善できる有力なツールだと言えます。

患者さんがまだ慣れていない新しいテクノロジーを導入する場合でも、価値を実証して、コントロール感を大事にし、指標を確立して、人々のニーズに応える製品を開発することで、エンゲージメントを高められます。ユーザーを単なる患者ではなく、アクティブな消費者だと捉えてサポートすることで、人々が毎日、積極的に使いたくなるようなデジタルヘルスソリューションを生み出せるでしょう。

Starは、ステークホルダーの価値を高めるデジタルヘルスソリューションの構築を支援しています。自動化の活用からワークフローの改善、人生を変える認知訓練アプリの開発まで、私たちは常にユーザーのニーズを第一に考えて取り組んでいます。

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Christopher Scales
Star 戦略&インサイト担当ディレクター

Starの戦略&インサイト担当ディレクターであるChristopherは、主に健康&ウェルネスチームとともに、エンゲージメントとヘルスアウトカムの向上を目指して、人間中心のデジタル戦略の策定に取り組んでいます。ヘルスケアデザイン分野の経験に加え、コンシューマーエレクトロニクス、自動車、重工業の分野でも製品・ソリューションの市場投入に実績があります。Starに加わる前は、戦略的デザインコンサルティングや企業内デザイン、イノベーションのグループで数々の重要な役職を担ってきました。

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Elli Kaplan
Neurotrack 共同創設者・CEO

Elli Kaplan氏は、アルツハイマー病の診断と予防の変革を使命とする、シリコンバレーに拠点を置くデジタルヘルス企業Neurotrackの共同創設者でCEOです。臨床的に実証されたNeurotrackの認知健康ソリューションは、患者や保険会社だけでなく、ハーバード大学医学大学院やスタンフォード大学医学部など一流の学術研究機関からの信頼も得ています。Kaplan氏はアスペン研究所のヘルス・イノベーターズ・フェローシップのフェローでもあり、ハーバードビジネススクールのヘルスケア・イニシアチブの諮問委員も務めています。

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